カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本一周 west[26]

投稿日:2012年12月18日

黒潮にのって全国へ

奈良←和歌山←三重←愛知←静岡←神奈川←東京

 JR新宮駅前を出発し、アドレスV125Gを走らせ、国道168号を北へ。熊野川沿いに走り、本宮の熊野本宮大社に参拝。ここが「熊野三山」の筆頭格になる。「熊野参詣道」の熊野古道が世界遺産に登録されてからというもの、より多くの人たちが熊野本宮大社にやってくる。
「熊野大権現」の奉納旗がなびく129段の石段を登り、神門をくぐり抜けたところには、熊野権現造りの檜皮葺の社殿が第一殿から第四殿まで横一列に並んでいる。第一殿は夫須美大神、第二殿は速玉大神、第三殿は家津御子大神、第四殿は天照大神をまつっている。そのうちの第三殿が本殿になる。家津御子大神というのは八岐大蛇を退治した素盞嗚尊のことだ。
 熊野本宮大社は全国にある熊野神社3831社の本社。境内の熊野神社の分布図が興味深い。それを見ると、熊野神社は47都道府県のすべてにある。一番多いのは千葉県の268社、つづいて福島県の235社、愛知県の209社がつづく。この分布図を見てわかるのは日本海側よりも、太平洋側の方がはるかに多いということだ。熊野神社は黒潮にのって日本各地に広まっていったように思える。
 熊野本宮大社の参拝を終えると国道168号をさらに北上し、和歌山県から奈良県に入っていく。今回の日本一周で入る最初の内陸県だ。
 十津川温泉の入口まで来ると国道168号を左折し、上湯川沿いに走る。
「野猿」(無料)をみつけるとアドレスを止めて乗ってみる。「おもしろい!」と思ったことに何にでもトライしてみるのは旅の鉄則だ。
「野猿」というのは十津川村特有の1人用の「人力ロープウエイ」。川の上に張ったワイヤーに人がのる「やかた」を吊り下げ、それに乗った人が自分で引き綱をたぐり寄せ、橋のかかっていない川を渡るというものだ。猿が木の蔓を伝っていく様子に似ているので野猿の名があるという。
 ここの野猿は川幅30メートルくらいのところにかかっているが、往復すると腕が痛くなるほど。そんなに楽な「人力ロープウエイ」ではない。
 野猿で十津川の世界を存分に感じ取ったところで、今晩の宿、「十津川観光ホテル山水」へ。宿に到着するとさっそく内風呂と露天風呂の湯に入る。無色透明な湯につかると、アドレスで1日走った疲れがいっぺんに吹き飛んでいく。ここは湯量豊富な温泉だ。
 湯から上がると夕食。うれしい部屋食。ビールを1本、キューッと飲み干したところで、アユの塩焼き、刺身、天ぷら、茶碗蒸し、煮物、酢の物、漬物、山クラゲ、それと鴨鍋という豪華版の夕食を食べた。

第4日目:伊良湖岬→下湯温泉
2008年10月4日
走行距離:304キロ(合計1,005キロ)
費用:
伊勢湾フェリー 3,000円
大王崎の灯台 200円
焼きウニ 400円
昼食 900円
マンボウの串焼き 300円
ガソリン 802円
宿泊 10,000円
合計 15,602円
総計 48,335円


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JR新宮駅前を出発
熊野川の広い川原


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本宮の町に入っていく
熊野本宮大社の参道


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熊野本宮大社の神門
熊野本宮大社を参拝


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国道168号で奈良県に入る
「十津川観光ホテル山水」に到着


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「十津川観光ホテル山水」の内風呂
「十津川観光ホテル山水」の露天風呂


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豪華版の夕食。これに鴨鍋がつく


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